アカバ 〜 国境へ Aqaba & to Egypt

◆ ペトラからアカバ

ペトラ遺跡の町ワディ・ムーサから ヨルダン側国境の町 アカバ へと向かうバスは、私とアキラ氏が泊まった宿から歩いて3分の所にある。ペトラ遺跡を見 終わった今、観光客ズレしているワディ・ムーサにもはや用はない。

現在時間は午後2時50分、情報では3時にアカバ行きのバスがあるという。
バス停に到着した私たちは、1台停まっていたバスに「アカバ行き」かと尋ねてみた。

ところが、「このバスはアンマン行きで、今日のアカバ行きはもう終わったよ。」と言う。そんなはずは無いだろうとあたりにいた数名、ちょうどそのとき 明日のバスを予約したい と様子を見に来たドイツ人が居たので彼らに話しを聞いてみる。が、彼らもちゃんとした情報を持っては居なかった。
どうやら選択しは 「バス停到着時から客引きをしていた乗り合いのトラック」に限られてしまうようだ。他にも地元民客が4人ほどいるようであるし、とりあえずこのトラックに 乗って移動することとする。


とはいえ、このトラックはアカバまでは行かず、その手前にある マァーン という中規模の町までだという。その先はバスが走っているので、乗り継ぎは可能とのこと。
どこまで信用していいものかは疑問であるが、もし乗り換えられないとしても ワディ・ムーサで延泊を重ねるよりは、名も知らぬ、おそらくはツーリスト ズレしていない町で1泊の方がまだ良い。むしろ粋かもしれない。


乗り合いピックアップトラックの料金は1.5JD、約40分でマァーンに着くらしい。
荷台に揺られ 中東らしい焼けた高原を駆け抜けていく。
途中で停まったガソリンスタンドに表示されている価格は 1リットル当たり 315Fils。約50円。


ピックアップトラックが走り始めて40分後。道に掛かる標識が マァーン と アカバ の分岐をあらわしていた。
その看板の5分後。マァーンのバスターミナルに到着したのである。


マァーンのバスターミナルに到着して、すぐアカバ行きのバスを確認する。発車まで少し時間があるらしいので、敷地内の商店で水を所望する。1.5リットル の水が300Fils。妥当な値段である。


午後4時にバスは走り出した。料金は1.5JD。乗車予定時間は2時間との事。


1時間30分が過ぎた頃、高台から下る道に差し掛かった瞬間。遙か遠くに海が見えたような気がした。

 
午後5時50分。乗車1時間50分でバスは無事に ヨルダン最後の街 アカバへと到着する。
この時間からエジプトへと向かう船はもう終了しているため、ここで一泊するのだが、到着したバス停の付近と地図を見比べてもどうにも現在地がはっきりとし ない。

とりあえず、横にいた地元民をつかまえて 道を尋ねる。
思ったことと全く違う方向を指さしてくれるが、果たして信じて良い物か?と思いつつ2分ほど歩いたところで別のバスターミナルを発見する。どうやらこれが 地図に記載されているバス停のようだ。

バスターミナル構内の地図を元に現在地と目的地を確かめてみる。どうやら先の地元民の言葉は正しかったようだ。


バスターミナルからさして遠くない所に宿を探す。数軒まわったところで ここではヨルダンにありながら 「Jerusalem Hotel」 と名乗る 一泊 5JD の安宿に一泊の宿を借りることにする。


アキラ君とともに町を歩いてみるが やはり海沿いの町だけあり、道路沿いにはナツメヤシの街路樹が並ぶ。
この後の予定は アキラ君の希望で @海沿いでシーシャ A銀行で引き出し Bマックで夕食 ということになる。

海沿いのレストランには 遊泳禁止の看板が掲げられていたが、それがあることを知ってか知らずか、岩場で海水浴にいそしむ子供達を見ながら、シーシャのパイプを傾ける。
午後7時30分。夕日が対岸のイスラエルの山脈へと沈んでいく。


ヨルダンのマックの玄関には 英語でのマクドナルド表記と共に アラビア語表記が並ぶ。
BicMacセット(2.39JD)をLLサイズ(3.62JD)に変更した アキラ君への対抗意識ではないが、私も合わせて LLサイズを注文してみた。むぅ、やはりマックのポテトは油っぽいなぁ。


宿のバルコニーから見えるイスラエルの夜景は思っていたより遙かに光があふれていた。


翌朝、朝日に照らされるイスラエルの風景。高層マンションが建ち並ぶ 立派な都市である。


◆ エジプトへ

アカバからエジプト。今回はエジプトのリゾート地 ダハブ へと向かっていく。
ルートとしては アカバ から エジプトのヌエバ までをフェリーで進むことで国境を海上で通過、その後 バスで ヌエバから ダハブに向かう。

この時に問題となるのがフェリーの出航時間である。午前9時説、10時説など、聞く人ごとに回答が全て違ってきたのだ。その一番早い説である“9時”に合 わせて 宿の出発を7時とした。

さて、翌朝、6時30分には起床。荷造りを終了し、7時になるが、アキラ君が出てこない。念のためドアをノックすると ネボケまなこのアキラ君が登場する。「あちゃ〜いけねぇ。15分まってちょ。ダッシュで荷造りするから。」と、まぁ、予想の範囲内である。

さて、7時30分頃に町へと出て、流しのタクシーをつかまえる。

市街からフェリー乗り場まではタクシーで約20分(1.7JD)ほどの所となる。フェリー乗り場の詳細を示す大きな案内看板が見えたところで、いよいよヨ ルダンを去る事が現実として認識されていく。


フェリー乗り場内にある建物の2階で ボートのチケットを購入(29JD)する。が、出発時間がどうにも定まらない。チケットを売る側も10時予定だと言ったり、11時だという話。はてにはイ ンフォメーションセンターの係員は午後1時だと言い始める始末。なるほど、これでは市内で聞いたところで正確な情報が出るはずはない。

 
フェリーチケットの売り場横が出国イミグレーションとなっている。スタンプを押していただこうとすると、出国税を払ってこいという話が出てきた。確かにそ の情報は知っているが、ここまでにそんな窓口は無かったのだ。
何処で払えるかを聞くと 「この建物の1階」だという。。なんて解りづらいつくりなのだ。

さて、1階に下り  手早く出国税5JDを支払う。その足で再度出国のスタンプを押していただき、めでたくヨルダン出国を完了した。とはいえ、物理的な出国がいつになるかはま だ不明である。

さて、現在時刻は 8時20分。最短の10時説を信じるとしても まだまだ時間は余っている。

ということで、まだ開店していないレストランの椅子を借りてバックパックを置き、建物の外で営業している小売店にてチャイとパンを頂く。チャイは 200Fils。パンは一個あたり100Fils。 なるほど、やはり ワディ・ムーサで買ったパン。4つで1JDは2倍以上のプライスをつけていたわけだ。

さて、2階のレストランも9時には開店を迎え、10時には「フェリーの時間じゃないの?」と体よくたたき出される。
行く先は炎天下の待合所であるが、運良く、屋根のあるところに椅子を確保出来たので良しとする。

悲しいかな待合所で英語を喋る人はいなかったが、隣に座るエジプト人にチケットを見せていただいたところ、同じボートに乗るようである。


時計が11時30分を回った頃、やっとフェリーに向かうバスが目の前に到着する。待合所からフェリーまではバスで2分とさして遠いわけではないが、乗客が ばらけてしまうのを防ぐ策なのだろう。


フェリーに乗り込んですぐに、その内装の良さに驚いてしまう。中にはラウンジバーの様なものが置かれている。さすがにアルコールは売っていなかったが、香 水・タバコの免税店まで設置されていたのだ。


窓際の席を確保するも、なかなか船から出航する気配が感じられない。かるく寝ていただろうか、かすかな振動を感じて目を覚まし、船が出航した時間は 午後1時10分をまわっていた。

途中、パスポートを預けるように係員に促される。返却は下船時、下のデッキで渡すとのこと。引換券らしき紙を手渡され、少々の不安とともに到着を待つ。

午後3時30分。ものの2時間と少々でフェリーはエジプトの町 ヌエバに繋留した。

さて、下船時に返すと言われたパスポートも例によって、船の中ではなく、外だ。という、よくわからない話になっていた。さてさて、一体どうなる事やら。


フェリーからやはり数分乗車のバスに乗り、荷物の引き取りに向かう。私は幸運な事にバックパックごと乗船していたので突撃を免れた、アキラ君はその 餅まき 状態になっている群衆に飛び込んでいく。

某ガイドブックを読んでいた時に思ったことがある。注意事項がまさにインドそっくりなのだ。果てにはバクシーシ(喜捨)など という言葉まである。
何だこりゃあ。と思いつつ 実際にエジプトに到着し、荷物の受け渡しをみていると、本当にここがインドだといわれても信じられそうな感が漂う。


パスポートの受け取りを急ぐ我々は敷地内の銀行で15US$を払い込み、パスポートコントロールへ印紙を運ぶ。

そして、パスポートにエジプトスタンプが押印され、名実ともにエジプト入国を果たしたのである。


カスタム(課税対象物申請)を越えて、港の横にあるバスターミナルに向かう。
現在時刻は午後4時15分。ダハブ行きのバスが5時頃にあることを祈りつつ、カウンターへと足を運ぶ。
が、しかし、複数のカウンターや警官、インフォメーションに話を聞けども、ダハブ行き最終バスは午後4時に出発してしまっているとのつれない返答。

しかたなく、乗り合いタクシーでダハブに向かうことにする。チケットカウンターでヒアリングをしている最中から 客引きをしていた連中は この段階で選別から落とすとして、問題はプライスの底値である。
何名かと料金交渉をするが、2人で100EP(エジプシャンポンド 1EP≒20円) とどうにも高そうな予感がする。

近くにあったレストランでジュースだけ飲み、作戦会議としゃれ込むが 別口のタクシー、というよりバンがレストランの横に停まり、「どこに行きたいのか」と聞いてくる。 ここでの主導権はこっちにありそうだ。なにせ手にはジュースをもってくつろいでいる最中なのだから。
冗談交じりに話していると 最終的には1人35EPで走るという。ダハブまで70EP あたりが値切りの底値のようだ。

ジュースを飲み干して、再度交渉に挑む。
ちょっと走りそうなセダンタイプのタクシーで1人40EPの80EPで走ることにする。


初めて走るエジプトの地。シナイ半島だからだろうか、山がちな地形が続く。
運転手からの情報によると本日の最高気温は40度。ここ数日に比べるとまだ涼しいそうである。



対向車もほとんど見かけず、途中、写真を撮るためにタクシーを車線の中央で走っていただくようにお願いしたり。


ヌエバから時速100Kmでブッとばすタクシーで 約 1時間、紅海が見えてきた。
ナツメヤシが写線に乗ってしまったが、アラビア語の下に英語で「Welcome DAHAB」と書かれている。


午後5時50分。 通る旅行者が皆 口をそろえて 「あそこは最高だよ」という地。 ついに ダハブ に到着した。




◆オマケの写真館


アカバ で見かけたナツメヤシの実。ネットでくるまれている。と、誰かがよくわからない肖像画。


ダハブへと向かう途中で 運転手が 知らせてくれた キャメル(ラクダ)岩。 そういえばエジプトのラクダは全てヒトコブラクダであるそうな。

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