クエッタへ To Quetta

◆ラホール駅

さて、列車は夕方4時30分の発車予定。駅に着いたのが3時50分頃となかなか良いペース。んで、駅に入るが、7番ホームが見あたらない。


そして見つけた7番ホーム。場所は6番ホームの向こう側。って言うか、続いてるじゃん…。
でっかいコンコースの北半分が6番ホームで、南半分が7番ホームって、、ムムッ!?



まぁ、チャイでも飲みつつ、水とビスケットを補給しておくのである。

さて、予定を振り返ってみると、夕刻4時30分に発車して翌日の夕方5時10分に着く。乗車24時間+αであるが、事前情報によると、この代数αはお気楽 に増加するのだそうな。事実、発車が40分程遅れて5時を廻った。
とはいえ、『インシャラー』と呟きつつ、状況を楽しめるようになってきた自分を発見する。



列車が走り出して1時間ほどで夕日が燃えだした。


やっぱり旅には夕日だね。

この後、8時頃に隣のムスリム(イスラム教徒)が走る車内で礼拝を始めた。
長老の一人が立ち上がり、両隣の車両に聞こえんばかりの大声で祈りの言葉を紡ぎはじめたのだ。2分弱の時間だったが周りのムスリムたちは頭を垂れて聞き 入っている。 そのあとは狭い通路で礼拝を始めた。額を床につけ、そして立ち上がり、また額を床につける。
(写真は撮ってません。撮れません。)


チケットの関係で座席にて就寝。。非常に寝づらい。耳栓をして10時には寝始め、6時頃の朝焼けで目覚める。

窓を開けると、早朝らしい風景・トラック輸送を見ることが出来る。にしてもハデだなぁ。



朝8時にはローリー駅に到着、全行程の半分強ってところかな?とりあえず背骨が休まってないので、椅子の上でいろいろと体勢を変えてみる。とかやってるう ちに川だ。川…  えっ? インダス川!?   『オイオイ、カメラ準備してないよ〜!』と騒ぐも時すでに遅し、なんとか1枚だけ撮ったは良いが川を撮ったのか橋を撮ったのかいまいちわからない写真と相 成りまし た。


チャイをごちそうするのが好きな長老の画。毎回チャイの種類が違う。昨日はレモンティー、この回はココナッツティー(干し果肉入り)。たしか最後にいただ いたのはファンタ・オレンジだった。

ちなみにインダス川を見逃した理由かどうか、長老とのココナッツティー談議に花が咲いているときに足下が鉄橋だったような気がするのはきっと 錯覚。


さて、朝を迎えた後、一路北へと針路を取る列車。風景がどんどん変わっていく。


12時を回った頃から砂漠に入り、数件の停車駅で他の列車の通過待ちを行う。駅のそばにホンの数軒だけ家があるのだが、『ほんとに人が住んでいるのか?』 と疑問を抱いた瞬間、年配のムスリムが「住んでますが、何か?」とグッドなタイミングで現れる。


スイッチバックを行った駅(シビ(sibi)駅)で食べた「炊き込みご飯、 豆・芋のせ」12ルピー(約25円)

味は… 悪くないですが、まぁ、こんなもんでしょう。と言う感じ。


さて、列車の進行方向が逆になって、勾配を上り始める。

「おー、良い景色だぁ。」と感心していると、突然トンネルに入り、車内が真っ暗になる。
真っ暗なのは問題ないのだが、先頭の機関車からの排煙がジャンジャカ入ってくる。ススは無いのでたいしたことはないが、ニオイが気になるのでハンカチで鼻 を押さえる私。


3分ほどでトンネルを抜けると、そこはもう別世界だった。





パキスタン鉄道がこれほどの絶景を見せてくれるとは予想だにしていなかった。
山の斜面を走りつつ地平線を遙かに望む。また、平野部でも雨期を考慮してか線路下には土手があり、この高低差がすばらしい画をもたらしている。


ムスリム達からサトウキビのお菓子(?)をいただく。そして列車は走り続ける。



時計が18時を回った頃、警官(軍?)の人が窓を閉めに回ってきた。なにやら見られては困るものがあるようだ。個人的には夕日が撮れないことが難点では あったが、その代わりというかムスリム達との交友が深まった。

「そろそろクエッタに着くよ」と身支度を始めたパキスタン人達と共に私も荷物を纏める。

列車がクエッタ駅に着いたのは予定から2時間遅れた19時過ぎだった。



◆オマケの写真館

なにやら意気投合してしまったパキスタン人達と共に、メッカに向けて礼拝をしている図…。

最初は警官(写真一番右)が「オイォィ、ちょっと待てや。」と制止してくれたのだが、長老とムハンマド氏(写真中央、右手前)の粋な計らい(なかば強制的 では あったが)によって、ありがたく参加させていただきました。

まもなく電車がクエッタに着こうとしているとき、ムハンマド氏から頂いた数珠(?)のようなもの。

相当な期間使い込んで、すっかり色が剥げてしまっている。さすがにこれは頂けないと思い、何度か断ったものの、最後には押し切られてしまった。「10ル ピーで買えるから気にするな。」って、いや、値段じゃないでしょう。
返礼として、私が5年前から使っていたキウイ(鳥)のキーホルダーをご笑納いただきました。

ちなみにこの数珠(?)は日々常に祈りを捧げた回数をカウントするものだそうで、環に100個の玉と2つの副線があり、最低でも100x10x100で 10万回はカウント出来るそうである。
そして、カウントする祈りの言葉は、「lala, ulala, Muhanmad, uwslullah (ラーラー・ゥイララー・ムハンマド・ゥラァスィゥラー)」。 1日に200回は必須だそうである。とりあえず車中で400回唱えてみたが(唱えさせられた)、確かに精神を安定させる効果はありそうだ。

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